CVポートの造設・抜去をご検討の方へ
CVポート(中心静脈ポート)の造設・抜去は、吉祥寺日帰り手術クリニック(2026年12月開設)で日帰りでできる予定です。
現在、予約・お問い合わせは受付準備中です。個別の適応・処置の方法・時期は診察で決まります。
まず知っておきたいこと
- 対象となる方
- 継続的な点滴治療などでポートが必要な方、治療後に抜去を検討する方。紹介元の担当医と連携します。
- 造設・抜去
- 造設 約15〜30分/抜去 約20〜30分。処置の流れを見る
- 麻酔
- 局所麻酔か全身麻酔かは、ご希望と全身状態を確認して、診察で決める予定です。
- 帰宅
- 日帰りを予定しています。処置後の状態により、帰宅の可否を判断します。
- 費用
- 保険診療の場合の費用を、造設・抜去と麻酔方法に分けてご案内しています。費用の目安を見る
- 紹介・受診方法
- 紹介元の担当医との連携や、他院で入れたポートの抜去については、受診のご案内をご覧ください。
数値は処置の目安で、当院の診療実績ではありません。2026年12月開設・2027年1月5日 保険診療開始予定です。
紹介・受診のご案内
造設・抜去の必要性と時期は、治療を担当する医師とご相談ください。当院では、紹介元の医療機関と連携して対応する予定です。
- 紹介状(診療情報提供書)と処置の依頼書があれば、診療時に確認します。
- 他院で入れたポートの抜去も対応予定です。製品情報のカード・手帳がお手元にあればご用意ください。
- 紹介状がない場合も、受付開始後にご相談いただける予定です。
現在は受付準備中です。受付開始日と予約・お問い合わせ方法は、このホームページでご案内します。
初診のご予約方法・持ち物・当院までの道順は初めての方へとアクセス・診療時間をご覧ください。 予約受付の開始時期はWEB予約のご案内(受付開始前)でご確認いただけます。
当院のCVポート造設・抜去
造設手術の流れ
CVポートの造設は、手術というより「処置」に近い内容です。麻酔は、ご希望により局所麻酔と全身麻酔のどちらでも受けられる予定です。以下は局所麻酔の場合の流れです。全身麻酔を選んだ場合は、麻酔科専門医が担当し、眠った状態で処置を行います。この場合は、前日からの絶飲食が必要になります。
1. 術前診察・説明
外来で、処置が受けられるか(適応)を確認し、処置の内容をご説明します。血液検査(凝固機能を含む)を行います。出血や感染のリスクを事前に評価するためです。ワーファリン・抗血小板薬などを飲んでいる場合は、事前に中止が必要なことがあります。紹介元の病院からの診療情報提供書をお持ちください。
2. 処置当日の準備
局所麻酔の場合、処置当日は普段どおりに来院できます。通常は食事制限はありません。全身麻酔の場合は、前日夜からの絶食と、処置2時間前までの飲水制限をお守りください。当日は処置着に着替えていただきます。バイタルサイン(血圧・脈拍など)を確認した後、処置室にご案内します。
3. 局所麻酔
ポートを埋め込む場所(主に前胸部)の皮膚に、局所麻酔薬を注射します。麻酔が効いた後は、切開する部分の痛みを局所麻酔で抑えます。押される感じや引っ張られる感じは残ります。処置中に麻酔を追加することもできます。処置中は会話もできる状態です。全身麻酔を選んだ方は、麻酔科専門医の管理のもと、眠っている間に処置を行います。
4. 超音波ガイド下静脈穿刺
超音波(エコー)で鎖骨下静脈または内頸静脈をリアルタイムで見ながら、針を刺します(穿刺)。目で見るだけに頼らない「超音波ガイド下穿刺」です。
誤穿刺(誤って別の場所を刺すこと)や気胸などの合併症を減らします。ある無作為化試験では、刺す静脈(内頸静脈・鎖骨下静脈・橈側皮静脈)の違いで合併症の頻度に差はありませんでした。
また、超音波ガイド下の鎖骨下静脈穿刺で、穿刺の失敗が最も少なかったと報告されています4。
5. カテーテル留置・先端位置確認
ガイドワイヤー(細い誘導用のワイヤー)を使って、カテーテルを静脈の中に進めます。透視(X線)で、カテーテルの先端が上大静脈の適切な位置にあることを確認します。この先端位置の確認は欠かせないステップです。薬を確実に届け、合併症を防ぐためです。
6. ポート本体の皮下埋め込み
胸の皮膚を2〜3cm切開し、ポート本体を皮膚の下のポケットに収めます。カテーテルとポートをつなぎ、正しく動くかを確認します(血液の逆流確認・生理食塩水フラッシュ)。最後に皮膚を縫い合わせて、処置は完了です。
7. 術後観察・帰宅
処置後は約60分、院内で安静にして様子を見ます。気胸を早く見つけるため、胸部X線を撮影します。問題がなければ帰宅できます。
処置が延期・中止になることがあります
- 血をさらさらにする薬(抗凝固薬・抗血小板薬)の休薬が、紹介元の担当医の指示どおりに済んでいない場合
- 化学療法の影響で血小板や白血球が少ない、凝固検査に異常がある場合
- 発熱や感染の徴候、ポートを入れる部位の皮膚に炎症がある場合
- 全身麻酔を選んだ場合に、絶飲食の指示が守られていない・付き添いや帰宅手段が確保できていない場合
- 当日の体調不良
延期は安全に処置を行うための判断です。紹介元の担当医と相談して日程を調整します。
帰宅後にすぐ連絡していただく症状
- 息苦しさ、胸の痛み(気胸の可能性)
- 38℃以上の発熱、悪寒
- ポート周囲の赤み・腫れ・膿、傷が開く
- 出血が止まらない、ポート周囲が急に大きく腫れる
- 腕・首・顔の腫れや痛み(血栓の可能性)
- ポートの上の皮膚が薄くなる・ポートが見えてきた
時間帯を問わず、お渡しする緊急連絡先までご連絡ください。化学療法中の方は紹介元の病院の連絡先も併せてご確認ください。
CVポートの抜去はどのような手順で行いますか?
CVポートは、治療が終わって不要になった時点で取り外します。取り外しも造設と同じく、局所麻酔による日帰り処置です。処置時間は約20〜30分です。他院で造設されたポートの抜去にも対応する予定です。
抜去の手順(処置全体で約20〜30分)
- ポート周囲の皮膚に局所麻酔をします。麻酔が効いた後は、痛みを感じにくくなります(感じ方には個人差があります)
- 造設時と同じ傷あとの上を切開します(新たな大きな傷は生じません)
- ポート本体を周囲の組織からていねいにはがして取り出します
- カテーテルを静脈からゆっくり引き抜き、圧迫して止血します
- 出血がないことを確認し、皮膚を縫合して終了です
※実際の手順や時間は、ポートの状態や留置期間によって変わることがあります。
- 留置期間に関わらず、適切なタイミングで抜去することが感染予防の観点から推奨されます
- 抜去の適応・時期は紹介元の担当医とご相談のうえ決定します
CVポートはいつ抜去しますか?(抜去のタイミング)
抜去のタイミングは、治療の状況によって異なります。主に次のような場合に抜去を検討します。
- 治療が完了したとき:化学療法などが終わり、今後ポートを使う予定がなくなった場合です。不要になったポートを入れたままにすると、感染などの合併症リスクが残ります。そのため、治療完了後の抜去が推奨されます
- ポート感染や皮膚のトラブルが起きたとき
- カテーテルの閉塞・断裂、ポート本体の損傷などの不具合が生じたとき
治療完了後にいつ抜去するかは、治療を担当した医師(紹介元の担当医)と相談して決めます。再発リスクや今後の治療方針をふまえた判断になるためです。
CVポート造設・抜去の費用と入院期間
日帰りでの処置を予定しています
当院では、CVポートの造設・抜去を、いずれも日帰り処置として行う予定です。帰宅できるかどうかは、処置後の状態で判断します。
入院が必要な場合は、入院設備のある医療機関へご紹介します。麻酔は、ご希望により局所麻酔と全身麻酔から選べる予定です。
処置後は経過観察を行い、状態が安定していれば帰宅できます。観察時間は処置後約60分が目安です。
デスクワークの再開は翌日からが目安で、実際の時期は診察で判断します。化学療法のスケジュールを大きく中断せずに、処置を受けていただけます。
費用の目安(保険診療の場合)
造設・抜去とも、健康保険が適用される処置です。以下はいずれも保険診療の場合の自己負担額(点数×10円×負担割合)です。金額は手術料・麻酔料のみです。初診料・検査・薬剤などは別にかかります。
| 項目 | 区分 | 点数 | 3割負担 | 2割負担 | 1割負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 造設:中心静脈注射用(頸部・胸部などから挿入) | K618-2 | 10,800点 | 32,400円 | 21,600円 | 10,800円 |
| 造設:抗悪性腫瘍剤持続注入用(頭頸部その他) | K611-3 | 16,640点 | 49,920円 | 33,280円 | 16,640円 |
| 全身麻酔で行う場合(麻酔が困難な患者に該当しないとき) | L008 | 6,610点 | 19,830円 | 13,220円 | 6,610円 |
| 麻酔管理料(Ⅰ)/全身麻酔を行った場合 | L009 | 1,050点 | 3,150円 | 2,100円 | 1,050円 |
CVポート抜去(他院で造設されたポートにも対応する方針です)の自己負担は、保険診療の場合・3割負担で約5,000〜7,000円が目安です。
最も高くなる組み合わせは、抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)の持続注入用ポートを、全身麻酔で造設する場合です。K611-3(16,640点)+全身麻酔(6,610点)+麻酔管理料Ⅰ(1,050点)=24,300点=総額243,000円です。保険診療の場合の自己負担は、3割で72,900円、2割で48,600円、1割で24,300円です(手術料・麻酔料のみ)。
- 局所麻酔と全身麻酔はご希望により選べる予定です。局所麻酔の場合、上表の全身麻酔・麻酔管理料は加算されません。全身麻酔の場合は加算されます
- どの区分で算定するかは、カテーテルの用途(中心静脈注射用か、抗悪性腫瘍剤の持続注入用か)によって決まります。診察時に個別にご説明します
- 点数は令和8年度診療報酬点数表に基づきます。制度・点数の改定により金額は変わることがあります
- 高額療養費制度は、1か月の自己負担が上限額を超えたときに、超えた分が支給される仕組みです。上限額は所得区分ごとに決まっています。上の最大額 72,900円は、年収約370万〜770万円(区分ウ)の上限 85,800円を下回ります。そのため、この処置だけでは対象にならない場合があります。ただし、同じ月の他の医療費(化学療法など)と合算できます。がん治療中の方は、対象になることが多くあります。高額療養費制度の詳しい解説
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 処置時間 | 造設 約15〜30分/抜去 約20〜30分 |
| 帰宅まで | 処置後約60分の経過観察(来院から帰宅まで 約2〜2.5時間が目安) |
| 利用できる制度 | 高額療養費制度(限度額適用認定証の事前取得も可) |
Q. CVポートの造設・抜去に入院は必要ですか?
当院では、造設・抜去とも日帰り処置を予定しています。処置後は経過観察を行い、状態を確認して帰宅できるかを判断します。全国的には、短期入院で行う施設もあります。当院は日帰り専門の体制で対応する予定です。
Q. CVポートの費用はいくらですか?
保険診療の場合、費用は用途や麻酔方法などで異なります。上の費用欄で、手術料・麻酔料の目安と別途かかる費用をご確認ください。正確な金額は診察でご案内する予定です。
費用の全体像は費用・保険のご案内、自己負担の上限については高額療養費制度をご覧ください(いずれも保険診療の場合の目安です)。
処置後の経過とリスク
処置後に起こりやすいこと(多くは自然に落ち着きます)
次の症状は、処置後の正常な経過の一部として起こりうるものです。ただし、程度が強い・長引く・「すぐ連絡していただく症状」に当てはまる場合はご連絡ください。
処置に伴うリスク・合併症
CVポートの造設は、広く行われている標準的な処置です。ただし、リスクはゼロにはなりません。当院では処置前の診察で、以下を個別にご説明します。ご同意をいただいたうえで行う方針です。頻度の言葉の意味は「頻度の言葉の目安」をご覧ください。
麻酔に伴うリスク(局所麻酔・全身麻酔)
当院のCVポート造設・抜去は、ご希望により局所麻酔と全身麻酔のどちらでも受けられる予定です。どちらにするかは、診察でご希望をうかがって決めます(費用の違いは費用の項)。以下では、それぞれのリスクを分けてご説明します。頻度の言葉の意味は「頻度の言葉の目安」をご覧ください。
局所麻酔を選んだ場合
全身麻酔を選んだ場合(麻酔科専門医が全例担当する予定です)
頻度の言葉の目安(このページ共通)
- 非常に多い:10人に1人以上(10%以上)
- 多い:100人に1〜10人(1%以上10%未満)
- ときに:1,000人に1〜10人(0.1%以上1%未満)
- まれ:1万人に1〜10人(0.01%以上0.1%未満)
- ごくまれ:1万人に1人未満(0.01%未満)
日帰り手術全般のリスクと当院の備えは手術のリスク・合併症について、全身麻酔の安全管理は日帰り手術の麻酔についてにまとめています。麻酔そのものへの不安については、全身麻酔の正体を3分で解説/麻酔中に意識が戻るって本当?/麻酔後によくある症状とそのケアもあわせてご覧ください。
当日帰宅できない場合
当院は無床診療所で、入院設備はありません。処置後は院内で約60分様子を見ます。胸部X線と傷の状態を確認してから、帰宅していただきます。全身麻酔を選んだ場合は、さらに次の点も確認してから帰宅を決めます。覚醒・歩行・飲水・排尿・痛みと吐き気のコントロール・成人の付き添いです。
当院のCVポート診療の体制・方針
紹介元の医療機関と連携する体制
化学療法などの治療を担当する紹介元の病院・担当医と連携しながら、CVポートの造設・抜去を行う方針です。治療を続けていただくため、紹介状(診療情報提供書)と処置の依頼書を持って受診することをおすすめしています。紹介状がない場合は、まず外来でご相談ください。留置中の定期フラッシュ(月1回程度)は、紹介元の病院または当院で対応する予定です。
他院で造設されたポートの抜去にも対応する方針
当院以外で造設されたCVポートの抜去にも対応する予定です。ただし、留置期間やカテーテルの状態によっては、抜去できるかどうかや方法を個別に検討する場合があります。お手元にあれば、ポートの製品情報(メーカー名や機種が分かるカード・手帳)をお持ちください。
麻酔と費用表示の方針
局所麻酔と全身麻酔のどちらで行うかは、ご希望をうかがって診察で決めます(費用の違いと適応については診察でご相談ください)。費用は造設と抜去に分けて、保険診療の場合の目安を表示しています。費用欄では、手術料・麻酔料の目安と、初診料・検査・薬剤など別にかかる費用を分けて記載しています(医師の資格・経歴は医師紹介をご覧ください)。
日帰りで手術を行うための設備・急変時の備え・連携医療機関については安全管理体制にまとめています。
日帰り手術の適応となる条件
当院で日帰り手術を受けられるかどうかは、病気の状態に加えて、全身の状態と帰宅後の環境もあわせて判断する予定です。年齢だけで一律に判断することはありません。
処置前に麻酔科専門医が評価します。日帰りが適切でないと判断した場合は、入院設備のある医療機関をご紹介します。
局所麻酔・全身麻酔のどちらで受けるかは、ご希望と全身状態を確認して診察で決める予定です。
CVポートで確認する条件
- 造設の主な適応(対象となる場合)は、抗がん剤による化学療法、中心静脈栄養(高カロリー輸液)、長期の抗生物質投与、頻繁な採血や輸血が必要な場合などです。
- 抜去の適応・時期は、紹介元の担当医と相談して決めます。主な例は、治療完了後、ポート感染や皮膚のトラブル、カテーテルの閉塞(詰まり)・断裂やポート本体の損傷などです。
- 局所麻酔と全身麻酔のどちらで行うかは、ご希望と全身状態を確認して診察で決めます。局所麻酔の場合は通常食事制限が不要で、お一人でのご帰宅も可能です。
- 血液検査(凝固機能を含む)で出血リスクや感染リスクを事前に評価します。血をさらさらにする薬や化学療法のスケジュールと処置日の調整も確認します。
- 血管の状態や全身状態によっては、入院設備のある医療機関をご紹介します。
診察・術前検査で確認すること
- 病気の状態:造設・抜去の目的と、血管・皮膚の状態(詳しくは上の「CVポートで確認する条件」)
- 心臓・肺などの持病と、服用中のお薬(血液をサラサラにする薬を含む)
- これまでの麻酔・手術の経験と、そのときの体調
- 手術当日に帰宅して過ごせる環境があるか
入院での手術をご案内する場合
- 心臓や血管(動脈)の病気、肺の病気や重い喘息などの併存疾患がある方
- 重い睡眠時無呼吸症候群や著しい肥満がある方
- 抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を休薬できない方
- 年齢や全身状態から、入院して処置を受けるほうが適切と判断される方
帰宅後に必要な準備
- 全身麻酔を選んだ場合、処置当日は自動車・自転車・バイクの運転はできません。麻酔の影響が残るためです。局所麻酔の場合はお一人でのご帰宅も可能です
- 全身麻酔を選ばれた場合は、帰宅後、少なくとも当日中はご家族などに付き添っていただくことをお勧めします
- 帰宅時にお渡しする緊急連絡先を確認し、いつでも連絡できるようにしておいてください
この病気に特有の考え方は、本ページの「当日帰宅できない場合」の項もご覧ください。日帰り手術の全体像は日帰り手術とは、手術前後の準備は手術前後の生活と注意点、麻酔については日帰り手術の麻酔についてで詳しくご案内しています。最終的な適応は、初回診察・術前検査と麻酔科専門医の評価をふまえて判断します。
手術のあとの生活の目安(項目別)
以下は、CVポート造設・抜去の手術のあとに「いつから何ができるか」をまとめた当院の目安です。当院の外科医が通常ご説明している内容をもとにしています。
明確な決まりがない項目が多くあります。痛みに応じて少しずつ負荷を上げるなど、ご自身の体調に合わせて判断していただく部分もあります。
回復には個人差があります。実際の時期は、診察でお一人おひとりにお伝えします。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| シャワー | 翌日から(当日はお休みください) |
| 湯船・温泉・プール | 術後1週間ごろから(湯船・温泉・プールとも) |
| 傷のケア | 傷に貼ったテープ(ステリーテープ)は5日間そのままにし、その後は自然にはがれるのを待ちます |
| 抜糸 | ありません |
| 痛み止め | 決まった時間に飲む薬と、痛いときに追加で飲む薬を処方します。3〜7日が目安です |
| 歩行 | 当日から可。制限はありません |
| 階段・立ち座り・前かがみ | 当日から可。制限はありません |
| 重い物を持つ | 翌日から。制限はありません |
| 家事・買い物・育児・介護 | 翌日から、無理のない範囲で |
| 軽い運動(ウォーキング・ストレッチ) | 無理なくできる状態になれば再開できます |
| 強めの運動(筋トレ・ランニング・球技・水泳) | 軽い運動は翌日からです。強めの運動は、傷が治ってから個別にご案内します(約1週間が目安)。激しい運動で、ポートの位置がずれることがあります。そのため、とくに女性は1週間以降に少しずつ負荷を上げてください |
| 自転車・車の運転 | 麻酔の翌日以降で、眠気の出る鎮痛薬を使っておらず、安全に急ブレーキが踏める状態になってから |
| 仕事(デスクワーク) | 状態がよければ翌日から検討できます |
| 仕事(立ち仕事・力仕事) | 状態がよければ、翌日から検討できます。ただし、仕事の負荷によって異なります。重い物を持つ作業の目安は、上の「重い物を持つ」をご覧ください |
| 出張・旅行・飛行機 | 麻酔の影響がなくなればさしつかえありません |
| 飲酒 | 傷が落ち着くまで(1週間程度)は、控えることをお勧めします。飲んでもかまいませんが、血流がよくなり、痛みや傷の赤みが強くなることがあります |
| 喫煙 | 制限はありませんが、傷が治るまで(1週間程度)は控えるのが望ましいです |
| 性生活 | 制限はありません |
| 便通 | とくに気をつけることはありません |
| 痛みの経過 | 2〜3日目以降に和らいでいくことが多いです |
| 腫れ・違和感 | 1週間程度で落ち着くことが多いです |
| 術後の診察 | 当院での術後の診察は通常ありません。気になる症状があればご連絡ください |
| 休薬した薬の再開 | 休薬した薬(血液をサラサラにする薬など)の再開は、麻酔科医が手術前に個別にご案内します |
手術のあとの症状と、連絡の目安
| 症状 | 経過 |
|---|---|
| ポート周囲の鈍い痛み・つっぱり | 数日続くことがあります |
| 微熱 | 37.5℃以下であれば様子をみて大丈夫です |
すぐに当院へ連絡していただきたい症状:ポート周囲の赤み/発熱/息苦しさ。時間帯を問わずLINEまたは電話でご連絡ください。
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処置に関するよくある質問
Q1. CVポートの造設は痛みがありますか?
処置は局所麻酔で行います。切開や縫合の痛みは、麻酔で抑えます。麻酔の注射のときは、一時的に痛みがあります。麻酔が効いた後も、押される感じや引っ張られる感じは残ります。痛みの感じ方には個人差があります。処置中に麻酔を追加できます。処置後は、傷のあたりの鈍い痛みが数日続くことがあります。処方する鎮痛薬で対応できます。
Q2. 紹介状なしで受診できますか?
CVポートは主に、化学療法・高カロリー輸液など、継続的な治療が必要な患者さんを対象とした処置です。治療を安全に続けるため、紹介元の病院・担当医との連携がとても重要です。紹介状(診療情報提供書)と処置の依頼書を持って受診することをおすすめしています。紹介状がない場合は、まず外来でご相談ください。
Q3. 他院で造設したCVポートの抜去もお願いできますか?
はい、対応する予定です。他院で造設されたポートの抜去にも、当院で対応できる見込みです。
ただし、留置期間やカテーテルの状態によっては、抜去できるかどうかや方法を個別に検討する場合があります。安全に処置を行うため、紹介状(診療情報提供書)をお持ちください。
お手元にあれば、ポートの製品情報(メーカー名や機種が分かるカード・手帳)もお持ちください。抜去は、局所麻酔による約20〜30分の日帰り処置を予定しています。
費用は保険診療の場合、3割負担で約5,000〜7,000円が目安です。抜去してよい時期かどうかは、治療を担当された医師にもご確認ください。
診察で確認しておきたいこと
- 自分の治療内容で、ポートの種類(中心静脈注射用・抗悪性腫瘍剤持続注入用)と位置(前胸部・上腕)はどれが適しているか
- 血をさらさらにする薬や化学療法のスケジュールと、処置日の調整
- 局所麻酔と全身麻酔のどちらで行うか。全身麻酔を選ぶ場合の追加費用と条件
- 当日帰宅できない場合はどうなるか。付き添いは必要か
- 費用の目安と、同じ月の化学療法の費用と合算した高額療養費制度の見込み
- 留置中の月1回のフラッシュをどこで受けるか。連絡すべき症状と連絡先
このページを印刷してお持ちいただいても構いません。診察では同じ内容を紙の説明書でお渡しする予定です。
CVポートの仕組み・日常生活
仕組み・用途・留置中の生活について読む
中心静脈ポート(CVポート)は、長期にわたる静脈内治療が必要な患者さんのために、皮膚の下に埋め込む小型の医療機器です。正式には「皮下埋め込み型中心静脈アクセスデバイス(totally implantable venous access device: TIVAD)」と呼ばれ、直径2〜3cm程度のリザーバー(ポート本体)と、中心静脈に留置されるカテーテル(細い管)で構成されます。1982年に初めて臨床応用されて以来1、がん化学療法の標準的な血管アクセスデバイスとして世界中で広く使用されています。
CVポートの主な適応(使う対象)は、抗がん剤化学療法、中心静脈栄養(高カロリー輸液)、長期の抗生物質投与、頻回の採血や輸血が必要な場合などです。とくにがん化学療法では、安全な投与経路の確保がとても重要です。
多くの抗がん剤は、血管の外に漏れると重い組織障害を起こすためです(ベシカント薬剤)。末梢静脈ラインでは、血管炎・静脈炎・漏出のリスクが高くなります。
また、何度も針を刺すことで、血管が荒れて傷むことがあります。CVポートを使うと、薬を確実かつ安全に投与できます。
治療に伴う患者さんの身体的・精神的負担も、大幅に軽減できます。
CVポートの最大の利点は、入浴・運動・日常生活にほとんど制限がないことです。使っていないときは、皮膚の下に完全に埋まっているためです。
PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)やCVカテーテルは、管が体の外に出ています。これに対しCVポートは、外見上ほとんど目立たず、感染リスクも低いとされています。
長期留置での血流感染は、1,000カテーテル日あたり約0.1件と報告されています2。これは、皮下トンネル型カテーテルや通常の中心静脈カテーテルより低い率です。
適切に管理すれば、数年以上にわたって使えます。一般的には、化学療法の全コースを通じて使い、治療が終わったら抜去します。
造設術(ポートを入れる処置)は局所麻酔で行うことができ、15〜30分程度で終わります。超音波ガイド下(超音波で血管を見ながら)で内頸静脈(または鎖骨下静脈)に針を刺し、カテーテルを入れます。
そして、ポート本体を前胸部または上腕の皮下に埋め込みます。合併症には、気胸、動脈穿刺、カテーテル位置異常、術後感染などがあります。
超音波で血管を見ながら針を刺すことで、合併症の頻度を下げる工夫をしています(詳しくは処置に伴うリスク・合併症)。吉祥寺日帰り手術クリニックでは、CVポートの造設と抜去を、局所麻酔による日帰り処置として提供する予定です。
主な対象は、他院で化学療法を受けている患者さんです。紹介元の病院と連携しながら対応いたします。
CVポートはどのような構造ですか?
CVポートは主に2つのパーツで構成されています。
- ポート本体(リザーバー): 直径2〜3cm、厚さ1cm程度のドーム状の小型容器です。シリコン膜(セプタム)で密封されていて、繰り返し針を刺すことができます。チタンまたは樹脂製で、体内に長く留置できるように作られています
- カテーテル: ポートと鎖骨下静脈・頸静脈などの太い静脈をつなぐ細い管。先端は上大静脈(心臓近くの太い静脈)に位置するよう調整します
ポートは通常、鎖骨の下(前胸部)または上腕(腕)の皮下に埋め込みます(図2)。皮膚の上からうっすらとふくらみを確認できますが、外見上ほとんど目立ちません。
①ポート本体(皮下)
②カテーテル
③静脈に入る位置(内頸静脈)
④先端は心臓の手前(上大静脈)
- ①ポート本体(前胸部の皮下に埋め込みます)
- ②カテーテル(ポートと静脈をつなぐ細い管)
- ③静脈に入る位置(内頸静脈・鎖骨下静脈)
- ④カテーテルの先端は心臓の手前(上大静脈)
ポート本体は、前胸部(鎖骨の下)の皮膚の下に埋め込みます。そこから細いカテーテルを静脈の中に通し、先端を心臓の手前の太い静脈(上大静脈)まで進めます。
使っていないときは、全体が皮膚の下に隠れています。体の外に出ている管はないため、入浴・シャワーや運動などの日常生活の制限はほとんどありません。点滴や抗がん剤を投与するときだけ、皮膚の上からポート中央の「セプタム」に専用のヒューバー針を刺します。
※ポートを埋め込む位置は前胸部が一般的ですが、上腕(二の腕の内側)を選ぶこともあります。
※図は向かって左が患者さんの右側です。
CVポートは何のために使いますか?
末梢静脈(手や腕の細い静脈)は、徐々に細く脆く(もろく)なります。繰り返しの点滴針による刺激や、抗がん剤の血管外漏出(血管の外に漏れること)が原因です。CVポートを使うと、薬を直接上大静脈(大量の血液が流れる太い静脈)へ投与できます。そのため、血管の障害を防ぎながら治療を続けられます。
CVポートが必要な方はどのような方ですか?
CVポートが適応となる主な状況は以下のとおりです。
- 化学療法(抗がん剤治療): 治療サイクルが繰り返され、定期的な静脈ルートが必要な場合
- 高カロリー輸液(TPN): 消化管から栄養摂取が困難で、長期的な静脈栄養が必要な場合3
- 頻回の採血・輸液: 末梢静脈が細くなり、穿刺困難が繰り返される場合
- 免疫療法・分子標的薬: 長期にわたる定期投与が必要な場合
CVポートにはどのようなメリットがありますか?
末梢静脈ルートとの比較
| 項目 | CVポート | 末梢静脈ルート |
|---|---|---|
| 毎回の穿刺 | 不要(ポートに針を刺すだけ) | 毎回必要 |
| 穿刺の痛み | 軽度(セプタム上の皮膚1箇所のみ) | 毎回あり(血管が細いと困難) |
| 血管への負担 | なし(太い静脈に直接投与) | あり(繰り返しで血管が脆弱化) |
| 薬剤の血管外漏出リスク | 極めて低い | 発疱性抗がん剤では高リスク |
| 日常生活への制限 | 少ない(入浴・運動可) | 留置中は制限あり |
| 継続使用期間 | 数年〜10年以上 | 数日〜1週間 |
| 感染リスク | 適切な管理で低い | 長期留置で上昇 |
患者さんのQOL向上
CVポートがあると、治療のたびに「血管を探す」苦労がなくなります。化学療法を受けながら、日常生活・仕事・外出を続けやすくなります。治療期間中の生活の質(QOL)も向上します。また、治療が終わったら、抜去処置だけで取り外せます。そのため、治療終了後も体への負担は最小限です。
CVポート留置中の日常生活はどうなりますか?
CVポート留置中の日常生活については、以下の点をご確認ください。
入浴・シャワー
シャワーは処置の翌日から、湯船での入浴は1週間後からが目安です。傷に貼ったテープは、5日間そのままにしてください。その後は、自然にはがれるのを待ちます。CVポートは皮下に完全に埋め込まれているため、傷が治れば水に濡れても差し支えありません。ただし、使用中(ヒューバー針を刺している状態)は、針の固定部を濡らさないよう注意が必要です。
スポーツ・運動
ポートが留置されている間の激しいスポーツ(水泳・格闘技・コンタクトスポーツなど)は、制限をおすすめする場合があります。ポートへの直接の衝撃を避けるためです。
ウォーキングや軽い日常動作は、翌日から制限はありません。激しい運動で、ポートの位置がずれることがあります。
そのため、とくに女性は、処置後1週間以降に少しずつ負荷を上げてください。個別の活動については、担当医にご確認ください。
使用時のケア(ヒューバー針)
ポートを使うとき(化学療法の点滴時など)は、専用のヒューバー針を使います。通常の注射針はポートのセプタムを傷つけるため、使いません。針を刺す・抜く・管理するのは医療機関です。患者さんご自身で操作する必要はありません。
定期的なフラッシュ
ポートを使っていない期間も、月に1回程度、生理食塩水フラッシュ(管の中を生理食塩水で流す処置)とヘパリン封入(ロック)が必要です。これは、血栓ができたり、カテーテルが詰まったりするのを防ぐためです。フラッシュは紹介元の病院または当院で対応します。
CVポートに関するよくある質問
Q1. 感染リスクはありますか?
CVポート関連の血流感染(カテーテル関連血流感染症)は、重い合併症です。清潔な操作と定期的なメンテナンスを徹底することで、感染リスクは低く保たれます。
ただし、ゼロにはなりません。発熱、ポート周りの赤み(発赤)・腫れなどの症状が出たら、速やかに担当医(紹介元の病院または当院)にご連絡ください。
感染した場合は、適切な抗菌薬治療が必要です。感染が重い場合は、ポートの抜去が必要になることがあります。
Q2. MRI検査を受けられますか?
現在の多くのCVポートは、MRI対応(MRコンパチブル)の素材で作られています。そのため、一定の条件のもとでMRI検査を受けることができます。
ただし、条件は機種・MRI装置の磁場強度・撮影部位によって異なります。MRI検査が必要な場合は、CVポートの種類と製品情報を、事前にMRI担当医に伝えてください。当院で造設したポートについては、製品情報をお伝えします。
Q3. CVポートはどのくらいの期間使用できますか?
適切に管理されたCVポートは、数年〜10年以上使えます。ただし、感染・血栓・ポート本体の損傷・カテーテルの閉塞や断裂などが起きた場合は、早めの抜去または入れ替えが必要になることがあります。治療が終わったら、感染予防のため、速やかな抜去が推奨されます。
CVポートの変遷 ― 体の外に出ていた管を体内に収めるまで
点滴の管を長期間つけ続けるための工夫は、半世紀にわたって改良されてきました。当院が予定している皮下埋込み型のポートは、その到達点にあたります。
手術の歴史・術式の変化を見る
各世代は、前の世代が「残した課題」を解くかたちで生まれています。色に加えて「問題/改良された点/残った課題」のラベルを付けています。
体外式の長期留置カテーテル
抗がん剤や栄養剤を長期間投与する手段が乏しかった。
太い静脈へ留置する長期用カテーテルが登場し、長期の投与が可能になった。
管の先が体の外に出たままのため感染しやすく、入浴などの日常生活も制限された。
完全皮下埋込み型ポートニーダーフーバー ら(アメリカ)1
体外に出た管が感染源となり、生活も制限していた。
薬を注入する部分ごと皮膚の下に埋め込む方式。体の外に出るものがなくなり、感染が減り入浴も可能になった。
血管を切開して探す方法が主で、体格によっては難しい場合があった。
超音波(エコー)ガイド下の穿刺
血管を目で探す方法では、体格や血管の走行に左右された。
超音波で血管を画面に映しながら穿刺する。周囲の動脈や肺を避けやすくなった。
超音波の機器と、術者の習熟が前提となる。
当院ではエコーガイド下でのポート造設・抜去を予定しています。血管の状態や全身状態によっては、入院設備のある医療機関をご紹介します。
ご予約・お問い合わせは受付準備中です
WEB予約・LINE相談・電話でのお問い合わせは受付準備中です。受付開始日とご利用方法が決まり次第、このホームページでご案内します。
このページの前提
- 本ページは一般的な医学情報の提供を目的としています。個別の診断・適応・処置の方法・時期は診察で決まります。
- 数値は掲載する文献の報告値と保険点数からの試算で、当院の実績ではありません(2026年12月開設)。
- 費用は保険診療の場合の目安で、検査・薬・加算・受診回数により変わります。
- 内容は最終更新日時点のものです。
参考文献
参考文献(5件)を読む
- Niederhuber JE, Ensminger W, Gyves JW, Liepman M, Doan K, Cozzi E. Totally implanted venous and arterial access system to replace external catheters in cancer treatment. Surgery. 1982;92(4):706-712. (PMID: 7123491)
- Maki DG, Kluger DM, Crnich CJ. The risk of bloodstream infection in adults with different intravascular devices: a systematic review of 200 published prospective studies. Mayo Clin Proc. 2006;81(9):1159-1171. doi:10.4065/81.9.1159 (PMID: 16970212)
- 日本静脈経腸栄養学会. 静脈経腸栄養ガイドライン 第3版. 照林社; 2013.
- Biffi R, Orsi F, Pozzi S, et al. Best choice of central venous insertion site for the prevention of catheter-related complications in adult patients who need cancer therapy: a randomized trial. Ann Oncol. 2009;20(5):935-940. doi:10.1093/annonc/mdn701 (PMID: 19179550)
- Apfel CC, Läärä E, Koivuranta M, Greim CA, Roewer N. A simplified risk score for predicting postoperative nausea and vomiting: conclusions from cross-validations between two centers. Anesthesiology. 1999;91(3):693-700. doi:10.1097/00000542-199909000-00022 (PMID: 10485781)
CVポートの造設・抜去は、紹介元の担当医と連携して対応する予定です。予約・お問い合わせは現在受付準備中です。