痔核(いぼ痔)
痔核(いぼ痔)は、吉祥寺日帰り手術クリニックで日帰り手術が可能です。外科専門医の黒河内喬範院長が結紮切除術(Milligan-Morgan法)またはALTA療法で治療し、麻酔科専門医の高宮達郎副院長が麻酔管理を担当します。手術時間は約20〜40分で、術後2〜3時間で帰宅できます。健康保険が適用され、3割負担で約2〜4万円です。
痔核は、肛門の内側や外側に存在する血管・結合組織・平滑筋からなる「肛門クッション」が病的に腫大し、出血・脱出・疼痛・腫脹などの症状を引き起こす疾患です。一般に「いぼ痔」と呼ばれ、肛門疾患の中で最も頻度が高く、全肛門疾患の約55〜60%を占めます。日本人の約3人に1人が一生に一度は痔の症状を経験するとされ(肛門疾患診療ガイドライン 2020)、性別を問わず非常に多くの方が悩んでいる疾患です。
肛門クッションは本来、肛門の閉鎖を助ける正常な組織ですが、排便時の過度ないきみ、長時間の座位、便秘・下痢の反復、妊娠・出産、加齢に伴う結合組織の弱化などが重なることで、支持組織(Treitz靭帯)が伸展・断裂し、クッション組織が肛門外へ脱出するようになります。痔核は解剖学的位置により内痔核(歯状線より口側)と外痔核(歯状線より肛門側)に分類されます。内痔核の重症度はGoligher分類(I〜IV度)で評価され、I度は排便時出血のみ、II度は排便時に脱出するが自然還納、III度は用手還納が必要、IV度は常時脱出(嵌頓リスクあり)です。
治療は保存療法から手術療法まで段階的に選択されます。I〜II度の軽症例は、食物繊維の摂取増加、排便習慣の改善、坐剤・軟膏などの保存的治療が第一選択です。しかしIII度以上の進行した内痔核や、保存的治療で改善しない症例には手術が推奨されます。手術の選択肢には、結紮切除術(Milligan-Morgan法 / Ferguson法)、ALTA硬化療法(ジオン注射)、PPH(自動縫合器による粘膜環状切除術)などがあります。結紮切除術は最も確実な方法であり、再発率が低く外痔核成分にも対応できるため、進行した痔核に対するゴールドスタンダードです。
受診をためらっている方へ:痔はデリケートな部位の疾患であり、恥ずかしさから受診をためらう方が少なくありません。しかし痔核は多くの方が経験する一般的な疾患であり、吉祥寺日帰り手術クリニックでは患者さんのプライバシーに最大限配慮した環境でご診察・ご治療をしています。当院では外科専門医と麻酔科専門医が連携し、日帰りでの痔核手術を提供しています。症状でお悩みの方は、どうかひとりで抱え込まずにご相談ください。
この手術のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手術時間 | 約20〜40分 |
| 麻酔 | 腰椎麻酔または全身麻酔(麻酔科専門医が管理) |
| 入院 | 不要(術後1〜2時間で帰宅) |
| 傷 | 肛門周囲(体表からは目立たない) |
| 社会復帰 | デスクワーク翌日〜数日後、肉体労働1〜2週間 |
| 費用 | 3割負担で約3〜6万円(保険適用・高額療養費制度利用可) |
痔核について
痔核にはどのような種類と症状がありますか?
内痔核(ないじかく)
歯状線より口側(直腸側)の粘膜下に生じます。痛覚神経がないため痛みを感じにくく、排便時の出血や脱出が主な症状です。進行度はGoligher分類で評価します。
Goligher分類(内痔核の進行度)
| 分類 | 状態 | 主な症状 | 治療方針 |
|---|---|---|---|
| I度 | 脱出なし | 排便時の出血のみ | 生活改善・薬物療法 |
| II度 | 排便時に脱出するが自然に戻る | 出血・排便後の不快感 | 薬物療法・硬化療法(ALTA) |
| III度 | 脱出し手で押し戻す必要がある | 出血・脱出感・不快感 | 手術適応(ALTA または結紮切除術) |
| IV度 | 常時脱出し還納不能 | 疼痛・出血・粘液分泌 | 手術適応(結紮切除術) |
外痔核(がいじかく)
歯状線より肛門側の皮膚下に生じます。痛覚神経が豊富な部位のため、血栓性外痔核(血の塊が生じる状態)では激しい痛みを伴うことがあります。外痔核は保存的治療が原則ですが、血栓が大きく疼痛が強い場合は局所麻酔下での血栓除去術を行うことがあります。
痔核と裂肛はどう違いますか?
肛門の皮膚が裂けた状態が裂肛(切れ痔)です。痔核と症状が似ていることがありますが、治療方針が異なります。自己判断は難しいため、肛門の症状は外科専門医による診察を受けることをお勧めします。
痔核に関するよくある質問
Q1. 妊娠中・授乳中でも手術を受けられますか?
妊娠中は原則として手術を見合わせ、保存的治療(軟膏・坐薬・生活指導)を優先します。出産後に痔核が自然に改善することもあります。授乳中の手術については、使用する麻酔薬の母乳への影響を考慮する必要があります。詳しくは診察時に担当医にご相談ください。
Q2. 女性でも受診しやすいですか?
はい、女性の患者さんも多くご来院されています。デリケートな部位の疾患であることを十分に理解したうえで、プライバシーに配慮した環境と丁寧な診察・説明を心がけています。診察時には担当医が患者さんの状態に応じた対応をいたしますので、安心してご相談ください。
当院の手術方法
結紮切除術(Milligan-Morgan法)
現在の痔核手術の標準術式は結紮切除術です。痔核を根部で結紮(糸で縛る)した後に切除します。根本から取り除くため、再発率が低いことが特徴です。当院ではMilligan-Morgan法を基本とし、患者さんの痔核の状態に応じて術式を最適化しています。
手術の手順
- 砕石位(仰向けで脚を開いた体位)または折刀位で体位を整えます
- 腰椎麻酔または全身麻酔を施行します
- 肛門鏡を用いて痔核の位置・大きさ・状態を確認します
- 痔核の根部(血管茎)を絹糸または吸収糸で結紮します
- 痔核組織を電気メスまたはメスで切除します
- 創部の止血を確認して手術終了です
結紮切除術の利点
- 痔核を根本から切除するため再発率が低い(約1〜5%)
- 複数の痔核を同時に処置できる
- 長年の実績があり、術式が確立している
- 保険適用
ALTA療法(硬化療法)との使い分け
ALTA療法(ジオン注射)はI度〜III度の内痔核に使用できる注射による治療法です。切除を伴わず入院が不要なため体への負担が軽い一方、IV度や大きな痔核には適応が限られます。吉祥寺日帰り手術クリニックでは、痔核の程度と患者さんの状態に応じて、結紮切除術とALTA療法を使い分けます。いずれの方法でも日帰りでの対応が可能です。
| 項目 | 結紮切除術 | ALTA療法(硬化療法) |
|---|---|---|
| 適応 | III〜IV度(I〜IIも可) | I〜III度の内痔核 |
| 切除 | あり | なし(注射のみ) |
| 手術時間 | 約20〜40分 | 約15〜30分 |
| 痛み(術後) | 中程度(数日間) | 軽度 |
| 再発率 | 低い(約1〜5%) | やや高い(約5〜10%) |
| 保険適用 | あり | あり |
入院手術と日帰り手術の比較
| 項目 | 入院手術(一般病院) | 日帰り手術(吉祥寺日帰り手術クリニック) |
|---|---|---|
| 入院期間 | 4〜7日 | なし(当日帰宅) |
| 麻酔 | 腰椎麻酔または全身麻酔 | 腰椎麻酔または全身麻酔(同等) |
| 手術内容 | 同等 | 同等 |
| 術後の痛みの管理 | 病棟で管理 | 処方鎮痛剤で管理 |
| 社会復帰 | 退院後すぐ〜数日 | デスクワーク翌日〜数日後 |
| 費用(3割負担) | 約8〜15万円(入院費含む) | 約3〜6万円 |
| 時間の負担 | 1週間前後の日常生活の制限 | 最小限 |
| プライバシー | 大部屋の場合あり | 完全個室対応 |
日帰り手術は入院費用が発生しないため、同じ内容の手術でも自己負担額が大幅に軽減されます。高額療養費制度の対象となる場合もあります。
手術の流れ
1. 初回来院(診察・検査)
外来にて診察を行います。肛門の視診・触診および肛門鏡検査で痔核の状態を確認し、手術の適応を判断します。血液検査、心電図、胸部X線等の術前検査を実施します。麻酔科専門医による術前評価も行います。手術日を決定し、術前の生活上の注意事項をご説明します。
2. 手術当日朝(来院)
手術当日の朝にご来院いただきます。前日の食事制限(夜9時以降は絶食、水分は手術2時間前まで可)をお守りください。来院後、体調確認と手術の最終説明を行います。
3. 術前準備(約30分)
手術着に着替え、点滴ルートを確保します。麻酔科専門医が麻酔の最終確認を行います。血圧・心電図・酸素飽和度のモニタリングを開始します。
4. 手術(20〜40分)
腰椎麻酔または全身麻酔下で痔核の結紮切除術を行います。麻酔科専門医が術中の全身管理を担当し、生体監視装置で呼吸・循環を常時モニタリングします。
5. リカバリー(1〜2時間)
手術後、リカバリー室で覚醒と回復の経過を観察します。痛みの管理を行い、歩行・排尿が可能であることを確認します。術後の状態が安定していることを医師が判断します。
6. 帰宅指導・帰宅
術後の注意事項(食事・排便・入浴)、服薬方法、緊急時の連絡先をご説明します。帰宅時はご家族による付き添いまたはタクシーの利用をお願いしています。当日の入浴は避け、翌日からシャワーが可能です。
7. 術後フォロー
術後1週間前後に外来を受診していただきます。創部の状態を確認し、必要に応じて処置を行います。通常、術後1ヶ月で最終確認を行い、治療完了となります。
手術に関するよくある質問
Q1. 手術は痛いですか?
手術中は麻酔が効いているため痛みはありません。術後の痛みについては個人差がありますが、肛門部は感覚神経が豊富なため、術後数日間は痛みを感じることが多いです。処方する鎮痛剤で管理できるレベルであることがほとんどです。術後の排便時に痛みを感じることがありますが、軟便を維持することで軽減できます。痛みに不安のある方は、術前に麻酔科専門医と十分にご相談ください。
Q2. 手術後の排便はどうすればよいですか?
術後は便を柔らかく保つことが重要です。緩下剤(下剤)を処方しますので、定期的に内服してください。食物繊維を多く含む食事と十分な水分摂取を心がけ、排便時に強くいきむことは避けてください。排便後は患部を清潔に保つため、シャワーで洗浄することをお勧めします。
Q3. 痔核は再発しますか?
結紮切除術の再発率は約1〜5%とされています。再発を防ぐためには、術後の食生活・排便習慣の改善が重要です。食物繊維の摂取、水分補給、長時間のトイレ座位を避けることが再発予防につながります。再発の懸念がある場合は早めにご相談ください。
Q4. 仕事にはいつから戻れますか?
デスクワーク・軽作業は手術の翌日〜数日後から可能です。長時間座位が続く仕事や肉体労働は術後1〜2週間を目安としてください。個人差がありますので、術後の経過を見ながら具体的にご案内します。
Q5. 日常生活で気をつけることはありますか?
術後1〜2週間は以下の点にご注意ください。長時間の座位は肛門部への圧迫を増すため、適度に体を動かすことが大切です。アルコールや辛い刺激物は肛門の充血を招くため控えてください。入浴(湯船)は術後2週間程度はお控えいただきます(シャワーは翌日から可能)。排便習慣の改善が長期的な再発予防になります。
Q6. 手術費用は保険適用ですか?
はい、痔核の手術は健康保険が適用されます。3割負担の場合、約3〜6万円が目安です(痔核の大きさや術式により異なります)。高額療養費制度を利用すれば、所得に応じた自己負担限度額までの負担で済みます。入院手術と比較すると入院費用がかからないため、自己負担が軽減されます。詳しくは受診時にご相談ください。
参考文献
- 日本大腸肛門病学会. 肛門疾患(痔核・裂肛・痔瘻)診療ガイドライン 2014年版. 南江堂; 2014.
- Milligan ET, Morgan CN, Jones LE, Officer R. Surgical anatomy of the anal canal, and the operative treatment of haemorrhoids. Lancet. 1937;230(5959):1119-1124. doi:10.1016/S0140-6736(00)87359-3
- Goligher JC. Surgery of the Anus, Rectum and Colon. 5th ed. Baillière Tindall; 1984.
- 隅越幸男, 高野正博, 黒川彰夫, 他. 痔核・裂肛・痔瘻のALTA療法. 金原出版; 2005.
- Shanmugam V, Thaha MA, Rabindranath KS, et al. Systematic review of randomized trials comparing rubber band ligation with excisional haemorrhoidectomy. Br J Surg. 2005;92(12):1481-1487. doi:10.1002/bjs.5185 (PMID: 16252313)
- Giordano P, Gravante G, Sorge R, et al. Long-term outcomes of stapled hemorrhoidopexy vs conventional hemorrhoidectomy: a meta-analysis of randomized controlled trials. Arch Surg. 2009;144(3):266-272. doi:10.1001/archsurg.2008.555 (PMID: 19289665)
当院について
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| クリニック名 | 吉祥寺日帰り手術クリニック |
| 院長 | 黒河内喬範(外科専門医) |
| 副院長 | 高宮達郎(麻酔科専門医) |
| 所在地 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-5 |
| 最寄駅 | JR中央線・京王井の頭線 吉祥寺駅 徒歩2分 |
| 開院 | 2026年秋予定 |
痔核の症状でお悩みの方は、どうかひとりで抱え込まずにご相談ください。恥ずかしいとお感じになる必要はありません。外科専門医と麻酔科専門医が連携し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた安全で丁寧な日帰り手術を提供いたします。