臍ヘルニア(でべそ)・白線ヘルニア・腹壁ヘルニア
臍ヘルニア(大人のでべそ・さいヘルニア)・白線ヘルニア・腹壁瘢痕ヘルニアなどの腹壁ヘルニアは、吉祥寺日帰り手術クリニック(2026年12月開設)で日帰り手術ができる予定です。
小〜中サイズが日帰り手術の対象です。大きなヘルニアは入院が必要な場合があります。
この手術のポイント
- 手術時間
- 約45〜90分(サイズ・術式による)
- 滞在時間
- 来院から帰宅まで 約2.5〜3.5時間(目安)
- 麻酔
- 全身麻酔(麻酔科専門医が管理)
- 入院
- 小〜中サイズは不要(術後約60分で帰宅)。大きなヘルニアは入院が必要な場合あり
- 傷
- 3〜12mm × 3〜4箇所(腹腔鏡手術)
- 社会復帰
- デスクワークは状態がよければ翌日から検討。体を使う仕事は負荷により相談(重い物を持つ作業は2週間程度は避ける)
- 費用
- 3割負担で約6〜12万円(保険適用・高額療養費制度利用可)
数値は一般的な目安で、当院の診療実績ではありません。保険診療開始後の見込みです。帰宅・復帰の時期は、術後の状態により異なります。
腹壁ヘルニアは、腹壁の筋膜や腱膜が弱くなった部分(欠損孔)から、腸管や大網(腹腔内の脂肪組織)が体表側に脱出する疾患の総称です。鼠径ヘルニアを除く腹壁のヘルニアを指し、最も頻度が高いのは開腹手術後の創部に生じる腹壁瘢痕ヘルニア(incisional hernia)です。次いで臍ヘルニア(臍の弱い部分から脱出)、白線ヘルニア(腹部正中の白線から脱出)、半月線ヘルニア(Spigelヘルニア)などがあります。
腹壁瘢痕ヘルニアは、開腹手術後の長期合併症の中で最も多いものです。開腹手術を受けた患者の約10〜23%に発生します(PMID: 3155634)。
多くは術後1〜3年以内に発症します。ただし、術後10年以上たってから表に出る症例もあります。
リスク因子には、創感染(傷の感染)、肥満(BMI>30)、糖尿病、ステロイド使用、慢性咳嗽(長く続く咳)、正中切開(横切開や腹腔鏡手術と比較してリスクが高い)、高齢、栄養不良などがあります。腹腔鏡手術のポート孔(器具を入れる穴)に生じるポートサイトヘルニアは、頻度が低いです(0.5〜2%)。
腹腔鏡の普及により、瘢痕ヘルニア全体の発生率は減少傾向にあります。
臍ヘルニアは、成人の約2%にみられます。肥満、妊娠、腹水貯留(おなかに水がたまること)などがきっかけになります。
白線ヘルニアは、腹直筋鞘の正中(おなかの真ん中)に生じます。心窩部(みぞおち)に小さなしこりとして触れることがよくあります。
どの腹壁ヘルニアも、自然に治ることはありません。時間とともに少しずつ大きくなる傾向があります。
嵌頓(かんとん:出てきた腸などが戻らなくなる状態)のリスクもあります。そのため、症状のあるヘルニアには手術が推奨されます。
特に、欠損孔が小さいヘルニアほど嵌頓のリスクが高いとされています。
腹壁ヘルニアの手術は、メッシュ(人工補強材)を使った修復が標準です。European Hernia Society(EHS)のガイドラインでは、2cm以上の欠損にはメッシュ修復が推奨されています。
メッシュを置く位置や術式は、欠損のサイズ・部位・前回の手術歴などによって選びます。腹腔鏡手術は、従来の開腹メッシュ修復に比べて、術後の痛みが少なく、傷の感染が少ないという利点があります(PMID: 21412910)。
特に、肥満の患者さんや再発した方に有用です。吉祥寺日帰り手術クリニックでは、腹腔鏡を用いた低侵襲な腹壁ヘルニア修復術による日帰り手術を提供する予定です。
ただし、ヘルニアのサイズや患者さんの状態によっては、入院手術が適切な場合もあります。診察時に詳しくご説明いたします。
腹壁ヘルニアについて
腹壁ヘルニアにはどのような種類がありますか?
腹壁ヘルニアは発生部位によっていくつかの種類に分類されます。
| 種類 | 発生部位 | 好発者 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 腹壁瘢痕ヘルニア | 開腹手術の切開創(瘢痕部) | 開腹手術後の方 | 腹壁ヘルニアの中で最も多い。手術の切開創(傷あと)の筋膜が弱くなって起こる。サイズが大きくなりやすい |
| 臍ヘルニア | 臍(おへそ)周囲 | 中年以降・肥満・経産婦 | 臍輪部(おへその輪の部分)が弱くなって起こる。「でべそ」として気づかれることも |
| 白線ヘルニア | 腹部正中(みぞおち〜臍の間) | 中年男性 | 白線(腹直筋鞘が交差する帯状腱膜)の隙間から脂肪が飛び出す。痛みを伴うことが多い |
| 半月線ヘルニア | 腹直筋外縁(半月線) | まれ・全年齢 | 比較的まれ。腹直筋鞘の弱い部分から起こる。嵌頓(出てきたものが戻らなくなる状態)のリスクが高い |
腹壁ヘルニアに関するよくある質問
Q1. 腹壁瘢痕ヘルニアはどのような手術を受けた後に起こりますか?
腹壁瘢痕ヘルニアは、開腹手術(虫垂炎・胆嚢摘出・子宮・大腸・胃・帝王切開など)を受けた後に生じることがあります。発生率は、開腹手術後の約2〜11%と報告されています。肥満・感染・縫合の問題・術後の腹圧(おなかの中の圧力)上昇などが、リスク因子とされています。手術後数ヶ月〜数年たってから気づかれることも多い疾患です。
腹壁ヘルニア手術の変遷 ― 「縫うだけ」から「張力をなくす」へ
腹壁ヘルニアの手術には120年余りの歴史があります。その歴史は、再発をどう防ぐかを追い続けた歴史でもあります。
手術の歴史・術式の変化を見る
各世代は、前の世代が「残した課題」を解くかたちで生まれています。色に加えて「問題/改良された点/残った課題」のラベルを付けています。
Mayo法(重ね合わせ縫合)ウィリアム・メイヨー(アメリカ)
腹壁の穴を閉じる標準的な方法が定まっていなかった。
筋膜を横方向に二重に重ねて縫う方法を確立し、手術が標準化された。
自分の組織を引き寄せて縫うため、縫い目に張力(引っ張る力)がかかった。そのため、再発が少なくなかった。
メッシュによる無張力修復
縫い目の張力が再発の主な原因だと分かってきた。
引っ張って縫うのをやめ、メッシュで覆って補強する考え方が広まった。これにより、再発が大きく減少した。
十分な視野を得るため切開がある程度必要で、傷が残る。
腹腔鏡下修復ルブラン ら(アメリカ)
切開して到達する方式では傷が大きかった。
おなかの内側からメッシュを当てる方法。傷が小さく、創部のトラブルが減った。
全身麻酔と気腹(おなかをガスでふくらませること)が必要。癒着が強い場合は、適応を慎重に判断する。
当院では腹腔鏡下の修復を予定しています。ヘルニアの大きさや過去の手術歴によっては、切開法のほうが適している場合もあります。
当院の手術方法: 腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術
腹腔鏡下修復術とは
腹腔鏡(カメラ)を用いて腹腔内または腹膜外からヘルニアを修復する術式です。代表的なアプローチとして、腹腔内からメッシュ(人工補強材)を留置するIPOM法(Intraperitoneal Onlay Mesh)と、腹膜外腔を作成してメッシュを留置するeTEP法(extended Totally Extraperitoneal)があります。当院では症例に応じて最適な術式を選択します。
手術の手順
- 腹部に3〜4箇所の小切開(3〜12mm)を行い、腹腔鏡と手術器具を挿入します
- 腹腔内を観察し、ヘルニアの位置・大きさ・内容物を確認します
- ヘルニア内容物を還納し、腹腔内に引き戻します
- ヘルニア門(腹壁の穴)の処理を行い、欠損部を確認します
- メッシュを留置し、ヘルニア門を含む腹壁の弱化した範囲を広く覆います
- メッシュを固定(タッカーや縫合糸を使用)し、術野を閉鎖します
腹腔鏡下修復術の利点
- 傷が小さいため術後の疼痛が少なく、早期回復が可能
- 腹腔鏡により腹腔内全体を直視でき、見落としや副損傷が少ない
- メッシュを用いた修復により再発率が低い
- 整容性に優れ、体表の瘢痕が目立たない
- 多発ヘルニアを同時に修復できる
術式比較表
| 項目 | 腹腔鏡下修復術(吉祥寺日帰り手術クリニック) | 開腹修復術 |
|---|---|---|
| 切開 | 3〜12mm × 3〜4箇所 | 既存瘢痕に沿った大きな切開 |
| 術後の痛み | 軽度〜中程度 | 中程度〜強い |
| 入院期間 | 小〜中サイズは不要 | 数日〜1週間程度 |
| 社会復帰 | デスクワーク翌日〜数日 | 1〜2週間 |
| 再発率 | 約3〜5% | 約5〜10%(メッシュなし修復) |
| メッシュ使用 | 使用 | 使用(テンション-フリー法) |
| 大型ヘルニアへの対応 | 中サイズまで適応 | 大型ヘルニアにも対応可 |
腹腔鏡下腹壁ヘルニア修復術は、欧州ヘルニア学会(EHS)ガイドラインにおいて、小〜中サイズの腹壁瘢痕ヘルニアに対して適応となる術式とされています(Muysoms et al., 2015)。
> 重要: 次のような場合は、腹腔鏡手術が困難なことがあります。欠損径が大きいヘルニア(目安として欠損径10cm以上)、複数の合併症がある場合、腸管の癒着が強い場合などです。その場合は、開腹手術や専門施設への紹介が必要となる場合があります。診察にてご相談ください。
腹腔鏡手術そのものの仕組みと当院の考え方は腹腔鏡手術とはで解説しています。日帰り手術全般のリスクと当院の備えは手術のリスク・合併症について、全身麻酔の安全管理は日帰り手術の麻酔についてにまとめています。
麻酔そのものへの不安については、全身麻酔の正体を3分で解説/麻酔中に意識が戻るって本当?/麻酔後によくある症状とそのケアもあわせてご覧ください。日帰りで手術を行うための設備・急変時の備え・連携医療機関については安全管理体制にまとめています。
入院手術と日帰り手術の比較
| 項目 | 入院手術 | 日帰り手術(吉祥寺日帰り手術クリニック) |
|---|---|---|
| 入院期間 | 3〜7日 | なし(術後当日帰宅)※適応内の場合 |
| 手術方法 | 開腹・腹腔鏡 | 腹腔鏡手術 |
| 傷の大きさ | 5〜20cm(既存瘢痕含む) | 3〜12mm × 3〜4箇所 |
| 術後の痛み | 中程度〜強い | 軽度〜中程度(鎮痛剤で管理可能) |
| 社会復帰 | 1〜2週間 | デスクワーク翌日〜数日 |
| 費用(保険診療・3割負担の場合) | 約15〜25万円 | 約6〜12万円 |
| 再発率 | 約5〜10%(開腹・縫合閉鎖時) | 約3〜5%(メッシュ修復時) |
| 家族の対応 | 入院中の継続的サポート | 帰宅時の付き添いのみ |
日帰り手術は、小〜中サイズのヘルニアが対象です。大きなヘルニア(欠損径の目安:10cm以上)は、入院での管理が必要となる場合があります。日帰り手術が適する場合は、入院費用がかからないため、自己負担額が大幅に軽減されます。
費用の全体像は費用・保険のご案内、自己負担の上限については高額療養費制度をご覧ください(いずれも保険診療の場合の目安です)。
手術の流れ
1. 初回来院(診察・検査)
外来で診察します。腹壁ヘルニアの位置・大きさ・症状を確認し、日帰り手術ができるか(適応)を判断します。ヘルニアの状態は、腹部超音波検査またはCT検査でくわしく調べます。術前検査として、血液検査・心電図・胸部X線などを行います。麻酔科専門医も手術前の評価を行います。手術日を決め、手術前の注意事項をご説明します。
初診のご予約方法・持ち物・当院までの道順は初めての方へとアクセス・診療時間をご覧ください。
2. 手術当日朝(来院)
手術当日の朝にご来院いただきます。前日の食事制限(夜9時以降は絶食、水分は手術2時間前まで可)をお守りください。来院後、体調確認と手術の最終説明を行います。
3. 術前準備(約30分)
手術着に着替え、点滴ルートを確保します。麻酔科専門医が麻酔の最終確認を行います。血圧・心電図・酸素飽和度のモニタリングを開始します。
4. 手術(45〜90分)
全身麻酔をかけ、腹腔鏡(おなかに入れる細いカメラ)を使って修復術を行います。手術中は、麻酔科専門医が全身の状態を管理します。生体監視装置で、呼吸と循環を常に見守ります。
5. リカバリー(約60分)
手術後、リカバリー室で覚醒と回復の経過を観察します。痛みの管理を行い、飲水・歩行が可能であることを確認します。術後の状態が安定していることを医師が判断します。
6. 帰宅指導・帰宅
術後の注意事項、服薬方法、緊急時の連絡先をご説明します。帰宅時はご家族による付き添いまたはタクシーの利用をお願いしています。当日の入浴は避け、翌日からシャワーが可能です。
7. 術後フォロー
術後の診察は、通常1回を予定しています。オンラインでの診察も選択肢となる予定です。創部(傷の部分)の状態を確認し、必要に応じて追加の指導や診察をご案内します。
日帰り手術の適応となる条件
当院で日帰り手術をお受けいただけるかどうかは、病気の状態だけで決めるものではありません。全身の状態と帰宅後の環境もあわせて判断する予定です。年齢だけで一律に判断することはありません。麻酔科専門医が手術前に評価します。日帰りが適切でないと判断した場合は、入院設備のある医療機関をご紹介します。
腹壁ヘルニアで確認する条件
- 日帰り手術ができるかどうかは、主にヘルニアの大きさで判断します。主な対象は、欠損径(おなかの壁にあいた穴の直径)がおおむね10cm未満の小〜中サイズです。臍ヘルニアや白線ヘルニアの多くは、これにあたります。
- 次の場合は、入院での管理が安全です。欠損径が大きいヘルニア(目安として10cm以上)、腸管の癒着が強い場合、複数の基礎疾患がある場合です。このような場合は、入院設備のある医療機関をご紹介します。
- 症状のあるヘルニアは、手術が勧められます。とくに、欠損孔(おなかの壁の穴)が小さいヘルニアほど、嵌頓(かんとん:腸などがはまり込んで戻らなくなること)のリスクが高いとされています。
- 肥満(BMI>30)や、慢性的な咳・便秘は、ヘルニアができたり再発したりするリスクを高めます(リスク因子)。そのため、診察でこれらの状況を確認します。
診察・術前検査で確認すること
- 病気の状態:ヘルニアの大きさと腹壁の状態(詳しくは上の「腹壁ヘルニアで確認する条件」)
- 心臓・肺などの持病と、服用中のお薬(血液をサラサラにする薬を含む)
- これまでの麻酔・手術の経験と、そのときの体調
- 手術当日に帰宅して過ごせる環境があるか
入院での手術をご案内する場合
- 心臓や血管(動脈)の病気、肺の病気や重い喘息などの併存疾患がある方
- 重い睡眠時無呼吸症候群や著しい肥満がある方
- 抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)を休薬できない方
- 年齢や全身状態から、入院して全身麻酔の手術を受けるほうが適切と判断される方
帰宅後に必要な準備
- 手術当日は自動車・自転車・バイクの運転ができません(全身麻酔の影響が残るため)
- 帰宅後、少なくとも当日中はご家族などに付き添っていただくことをお勧めします
- 帰宅時にお渡しする緊急連絡先を確認し、いつでも連絡できるようにしておいてください
この病気に特有の考え方は、本ページの「入院手術と日帰り手術の比較」の項もご覧ください。日帰り手術の全体像は日帰り手術とはで詳しくご案内しています。手術前後の準備は手術前後の生活と注意点、麻酔については日帰り手術の麻酔についてをご覧ください。手術を受けられるかの最終判断は、初回診察・術前検査と麻酔科専門医の評価をふまえて行います。
手術のあとの生活の目安(項目別)
以下は、腹壁ヘルニア(臍ヘルニアなど)の手術後に「いつから何ができるか」をまとめた当院の目安です。当院の外科医がふだんご説明している内容をもとにしています。
多くの項目には、はっきりした決まりがありません。そのため、痛みに合わせて少しずつ負荷を上げるなど、ご自身の体調を見て判断していただく部分もあります。
回復には個人差があります。実際の時期は、診察でお一人おひとりにお伝えします。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| シャワー | 翌日から(当日はお休みください) |
| 湯船・温泉・プール | 術後1週間ごろから(湯船・温泉・プールとも) |
| 傷のケア | 防水テープやガーゼは、3日を目安に外せます。傷が治る過程の炎症が落ち着く3日ごろまでは、とくに清潔に保ってください |
| 抜糸 | ありません |
| 痛み止め | 1週間分の決まった時間に飲む薬と、痛いときに追加で飲む薬を処方します。ほとんどの方は、約1〜2週間で薬が不要になります |
| 歩行 | 当日から可。制限はありません |
| 階段・立ち座り・前かがみ | 当日から可。制限はありません |
| 重い物を持つ | 2週間程度は避けてください(大きなヘルニアでは3〜4週間程度) |
| 家事・買い物・育児・介護 | 翌日から、無理のない範囲で |
| 軽い運動(ウォーキング・ストレッチ) | 無理なくできる状態になれば再開できます |
| 強めの運動(筋トレ・ランニング・球技・水泳) | 腹筋運動など、おなかに強い力(腹圧)がかかる運動は、2〜3週間ほど避けてください。ウォーキングは1週間ごろから |
| 自転車・車の運転 | 麻酔の翌日以降で、眠気の出る鎮痛薬を使っておらず、安全に急ブレーキが踏める状態になってから |
| 仕事(デスクワーク) | 状態がよければ翌日から検討できます |
| 仕事(立ち仕事・力仕事) | 状態がよければ、翌日から検討できます。ただし、仕事の負荷によって異なります。重い物を持つ作業の目安は、上の「重い物を持つ」をご覧ください |
| 出張・旅行・飛行機 | 麻酔の影響がなくなればさしつかえありません |
| 飲酒 | 傷が落ち着くまで(1週間程度)は、控えることをお勧めします。飲んでもかまいませんが、血流がよくなり、痛みや傷の赤みが強くなることがあります |
| 喫煙 | 制限はありませんが、傷が治るまで(1週間程度)は控えるのが望ましいです |
| 性生活 | 制限はありませんが、2週間程度は避けるのが望ましいです。痛みのない範囲で |
| 便通 | 痛みでいきめず、便秘になることがあります。必要に応じて緩下剤(おだやかな下剤)を使います |
| 痛みの経過 | 3〜4日目以降に和らいでいくことが多いです |
| 腫れ・違和感 | 違和感やふくらみは3〜4週間ほど続くことがあり、漿液腫(体液のたまり)は多くが自然に吸収されます |
| 術後の診察 | 通常1回。オンライン診察も選択肢になる予定です |
| 休薬した薬の再開 | 休薬した薬(血液をサラサラにする薬など)の再開は、麻酔科医が手術前に個別にご案内します |
手術のあとの症状と、連絡の目安
| 症状 | 経過 |
|---|---|
| 肩の痛み | 腹腔鏡手術のあとに起こりやすく、3日程度続くことがあります |
| おなかの張り・便秘 | 麻酔と手術の影響で腸の動きが一時的に鈍ることがあります |
| おへその傷の痛み | 重い筋肉痛のような痛みで、日ごとに軽くなっていきます |
| 微熱 | 37.5℃以下であれば、術後の反応として様子をみて大丈夫です |
すぐに当院へ連絡していただきたい症状:嘔吐が続く/急な腹痛/38℃以上の発熱/傷の赤み・腫れ、膿が出る/尿が出ない。時間帯を問わずLINEまたは電話でご連絡ください。
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手術に関するよくある質問
Q1. 日帰り手術と入院手術の適応の違いは何ですか?
日帰り手術ができるかどうかは、主にヘルニアの大きさで判断します。欠損径(おなかの壁の穴の直径)がおおむね10cm未満の小〜中サイズなら、日帰り手術の対象になる場合が多いです。
一方、欠損径が大きいヘルニア、腸管の癒着が強い場合、複数の基礎疾患(持病)がある場合などは、入院して管理するほうが安全です。また、腹壁瘢痕ヘルニアは再手術であることも多く、判断は一人ひとりの状況で異なります。初診時にくわしくご説明します。
Q2. 術後の再発はどのくらいの頻度で起こりますか?
メッシュを使った腹腔鏡下修復術の再発率は、約3〜5%と報告されています。メッシュを使わず縫うだけの修復では、再発率が20〜30%と高くなります。
そのため現在は、原則としてメッシュを使う修復術が勧められています。再発のリスクを下げるには、生活習慣の管理も大切です。
たとえば、肥満の改善、慢性的な便秘の解消、重いものを持ち上げないことなどです。
Q3. 臍ヘルニアや白線ヘルニアも日帰り手術で治療できますか?
はい。臍ヘルニアや白線ヘルニアの多くは、日帰り手術の対象です。これらは腹壁瘢痕ヘルニアに比べて、小さい場合が多いです。腹腔鏡下または小さな切開での修復が可能です。臍ヘルニアの手術では、おへその形をできるだけ残すように修復します。手術時間は45〜90分程度が目安です。
Q4. メッシュを体内に留置することへの不安があります。安全ですか?
腹壁ヘルニアの修復に使うメッシュは、医療用として認可された素材です。体になじみやすい(生体適合性が高い)素材でもあります。
種類には、ポリプロピレン製や生体吸収性素材(体内で吸収される素材)などがあり、長く使われてきた実績があります。まれに、感染・血清腫(漿液腫:傷の下に液体がたまること)・慢性疼痛(長く続く痛み)などの合併症が報告されています。
ただし、適切な手術方法と術後管理により、多くの方は問題なく経過しています。メッシュを使う修復は、使わない修復より再発率が大幅に低くなります。
そのため現在の腹壁ヘルニア修復術では、メッシュを使うのが標準です。ご不安な点は、診察時にご相談ください。
参考文献
参考文献(6件)を読む
- Muysoms FE, Antoniou SA, Bury K, et al. European Hernia Society guidelines on the closure of abdominal wall incisions. Hernia. 2015;19(1):1-24. doi:10.1007/s10029-014-1342-5 (PMID: 25618025)
- Silecchia G, Campanile FC, Sanchez L, et al. Laparoscopic ventral/incisional hernia repair: updated Consensus Development Conference based guidelines (2015). Surg Endosc. 2015;29(9):2463-2484. doi:10.1007/s00464-015-4293-8 (PMID: 26139480)
- 日本ヘルニア学会. 腹壁ヘルニア診療ガイドライン 2020. 金原出版; 2020.
- Mayo WJ. An operation for the radical cure of umbilical hernia. Ann Surg. 1901;34:276-280.
- Lichtenstein IL, Shulman AG, Amid PK, Montllor MM. The tension-free hernioplasty. Am J Surg. 1989;157(2):188-193.
- LeBlanc KA, Booth WV. Laparoscopic repair of incisional abdominal hernias using expanded polytetrafluoroethylene: preliminary findings. Surg Laparosc Endosc. 1993;3:39-41.
腹壁ヘルニアの症状でお悩みの方は、吉祥寺日帰り手術クリニック(吉祥寺駅徒歩2分)にご相談ください。外科専門医と麻酔科専門医が連携し、安全な日帰り手術を提供する予定です。
吉祥寺日帰り手術クリニックで対応予定の日帰り手術
ご相談・ご予約
当院は2026年12月開設・2027年1月5日 保険診療開始予定です。手術に関するご相談・ご予約の受付開始時期は、下記の受付状況ページでご案内します。